
子どもの便秘
子どもの便秘について
便秘症は、「よくある病気で、たいしたことではない」と考えられがちですが、便秘症のお子さまは、便をするときにとても痛い思いをしたり、苦しんだりしていることが多く、決してほっておいてよい病気ではありません。お子さまの便秘症を放っておくとどんどん悪化し、きちんと排便する機能が備わらず、大人になった後も便秘で悩むようになる場合があります。以下のように、スムーズに排便できていないかもしれない、と気になることがありましたらご相談ください。

お子さまの便秘を疑う症状
●週に2~3回しか便が出ない
●いきんでいるのに便が出ない
●強くいきまないと出ない、排便に時間がかかる
●便が出る時に痛がる
●うんちをするのを嫌がる、がまんしている
●コロコロまたはベタベ タの便が少しずつ1日に何回も出ている
●おなかが張っている
●おなかが痛くなる など
便秘の悪循環を断ち切ろう
便が腸内にとどまっていると、水分が吸収されて段々と硬くなります。便秘が長期間続くと、排便のたびに苦痛を感じるのでトイレに行きたがらなくなり、我慢して便を溜め込む習慣がついて、さらに便秘が悪化するという悪循環に陥ります。そのような状態が長く続いていると腸が便がたまることに慣れてしまい、とても治りにくくなります。便秘の治療はこの悪循環を断ち切ることが大切です。お子さまが便秘かもしれないと感じたら、早めにご相談ください。

年齢による便秘の違い
赤ちゃんの便秘
赤ちゃんは消化器官が未発達な上に便を出す力が乏しいため、便秘を起こしやすいです。
母乳・ミルクを飲む量が少ない場合に便秘になりやすいことや、離乳食を始めたことで便が固くなり、うまく排便できなくなることがあります。
幼児期の便秘
水分不足や食物繊維の摂取量が少ないことなどが原因で便秘を起こしやすいです。
またトイレトレーニングの時期に排便を我慢し、それにより便が硬くなって排便時に痛みを感じてしまうと、それを嫌がって排便を我慢し、便秘の悪循環が起こりやすくなってしまいます。
学童期の便秘
体質や食事の影響により便秘を起こしやすいです。
また、便意を我慢する機会が増えると、便秘を悪化させてしまいます。学童期は、朝起きてからゆっくりトイレで排便する時間がなかったり、便意を催した時に遊びに夢中だったり、学校の授業中でトイレに行きにくかったり、不潔なトイレを使うことが嫌だったり・・・など、トイレを我慢することが増えてしまい、便意を我慢してしまうクセができてしまうこともあります。
便秘の治療
食事指導、生活習慣の改善
●腸の動きを良くしたり、便を柔らかくしやすい食事
●トイレに行く習慣、排便時間の確保
●適度な運動、おなかのマッサージ
など、お子さまの発達段階に合わせてアドバイスいたします。
薬物療法
苦痛なく排便ができる状態をつくってあげるために、便をやわらかくする薬や大腸の働きを正常に戻す薬を使用します。
浣腸
お薬だけでは症状の改善が見られない場合や、直腸に便が溜まっている場合には、浣腸を行って、腸を刺激することで腸の活動を促進して排便を促すこともあります。
綿棒浣腸(肛門刺激)
乳児の場合、浣腸を使用することが難しいため、肛門の周りを軽く押したり、ワセリンを塗った綿棒で肛門から2~3mm程挿入して、肛門を刺激して排便を促します。