子どものアレルギー

アレルギーのご相談について
アレルギーとは、本来体を外敵から守るための免疫反応が過剰に働くことで、さまざまな不都合な症状が現れる状態を指します。
当クリニックでは、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎・花粉症、食物アレルギーなど、お子さまのアレルギー疾患に対する診療を行っております。これらの症状は日常生活と深く関わっているため、ご家族と連携しながら、お子さまにとって最適な治療方法を一緒に考えていくことを大切にしています。
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気管支喘息
気管支喘息とは
空気の通り道である気道に炎症が起こり、狭くなって、呼吸が苦しくなる状態(喘息発作)を繰り返します。喘息の人の気道は、症状がないときでも常に炎症を起こし、気道が狭く、空気が通りにくくなっています。また気道の表面の炎症がちょっとした刺激にも敏感に反応し、ハウスダストやペットの毛などが刺激となって喘息発作が起きてしまいます。発作を繰り返すことで気道の炎症がさらにひどくなり、気道もより狭くなってしまう悪循環に陥ります。
正常な気道

ぜんそくの気道

ぜんそく発作時の気道

主な症状
●呼吸時に「ヒューヒュー」「ゼーゼー」という音(喘鳴)がでる
●息苦しい、せき込む
●風邪は治っているのに、咳だけが長引いている
●夜間や早朝、季節の変わり目に咳き込む
●走ったり運動をした後、せき込んだり息苦しくなる
治療
気管支喘息は、早期に治療を開始し、しっかりと治療を継続すれば、多くの方が治癒に至る病気です。
喘息の治療は以下の2つの治療に分けられます。
起こってしまった発作の治療(発作治療薬)
喘息発作時に、気管支を取り囲む筋肉の収縮を緩める薬(気管支拡張剤)を使用します。
一時的には効果がありますが、この薬で症状を抑えても喘息の本態を治すことはできません。
喘息発作を起こりにくくするための長期管理(長期管理薬)
気管支の慢性炎症を抑える薬を使用します。
喘息発作が起こらない状態を長期間続けるためには、長期管理薬で毎日ケアすることが最も大切です。
長期管理薬は普段発作がない時期にも治療を継続し、気道のアレルギーの炎症をしずめることで、ぜん息発作が起きにくくなります。長期管理薬は発作がなくなっても勝手に中止しないようにしましょう。気道の炎症が無くなるまで治療し、大人になっても喘息発作を引きずることのないようにすることが大切です。

アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とは
アトピー性皮膚炎は、かゆみをともなう湿疹が慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す皮膚の病気です。
皮膚の"バリア機能"(外界のさまざまな刺激、乾燥などから体の内部を保護する機能)が低下していることや皮膚に炎症があることが分かっています。
大基準(1)と3項目以上の小基準(2)を満たすものをアトピー性皮膚炎と診断する。
(1) お子さんは皮膚がかゆい状態である。または、両親から子どもが皮膚を引っかいたり、こすったりしているという報告がある。
(2)
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お子さんはこれまでに肘の内側、膝の裏、足首の前、首のまわり(9歳以下は頬を含む)のどこかに皮膚のかゆい状態がでたことがある。
-
お子さんは喘息や花粉症の既往がある。または、一等親以内に喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の既往がある。
-
過去12か月の間に全身の皮膚乾燥の既往がある。
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関節の内側の湿疹(3歳以下は頬・おでこ・四肢外側を含む)が確認できる。
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1歳以下で発症している(3歳以下のお子さんにはこの基準を使わない)。
主な症状・出やすい部位
子どものアトピー性皮膚炎は、2歳未満の乳幼児期から学童期に発症することが多く、成長するにつれて症状はよくなる傾向がみられますが、成人になるまで再発をくり返し症状が続くこともあります。かゆみのある湿疹が身体の左右対称にあらわれるのが特徴で、症状が出やすい部位は年齢によって変わります。
乳児期(2歳未満)
頬を中心とした顔や頭がかさかさし、赤くなります。
かゆみがある場合、かくことで皮膚が傷つけられ、次第にジクジクとした湿疹がみられるようになります。
特に、離乳期には口のまわりや頬によくみられます。
ひどくなると、首のまわり、胸・背中、手足にも広がります。
幼児期~学童期(2歳~12歳)
顔の湿疹は減りますが、首やひじの内側やひざの裏側などの関節部分、手首などに症状があらわれるようになります。かゆくてくり返しかいてしまうため、皮膚がゴワゴワと硬くなります 。
思春期(13歳以上)
主に顔や首のまわり、胸・背 中などの上半身に発疹が強くみられるようになります。
治療
薬物療法
炎症を鎮め、かゆみを和らげるために、ステロイドが一般的に使われます。適切な薬の使用方法や使用量を守りながら、症状の改善を目指します。また、ステロイドではなく他の炎症を抑える薬もあるため、部位や炎症の程度によって選択することもあります。
スキンケア
アトピー性皮膚炎では皮膚のバリア機能が低下し、肌が乾燥しやすい状態になっています。そのため、皮膚を洗って清潔に保ったうえで、皮膚のバリア機能を補うスキンケアが大切です。
悪化させる原因の対策
アトピー性皮膚炎は、特定の刺激やアレルゲンによって悪化することがあります。そのため、それらを避けるための対策も行います。
悪化の原因として考えられること
●皮膚への刺激
唾液や汗、髪の毛が触れたり、衣類とのこすれ、かきむしりなど、日常生活での皮膚への刺激で症状が悪化することがあります。
●接触アレルギー
塗り薬、化粧品、香料、金属、シャンプー・リンスなどのアレルギーで症状が悪化することがあります。
●食物
特に乳児では、食物アレルゲンが関与していることがあります。
●吸入アレルゲン
乳児期以降、ダニ、ほこり、花粉、ペットの毛などの環境アレルゲンで悪化することがあります。
●発汗
アトピー性皮膚炎では発汗量が減少しており、汗が少ないことによる皮膚温の上昇や皮膚の乾燥が症状の悪化に関わるといわれています。
●細菌、真菌
アトピー性皮膚炎の病変部で、黄色ブドウ球菌が検出され、増悪因子の一つと考えられています。
また、真菌も関与しているといわれています。

アレルギー性鼻炎・花粉症
アレルギー性鼻炎とは
アレルギー性鼻炎とは、アレルギー反応を引き起こすアレルゲン(アレルギーの原因物質)が刺激となって、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状を引き起こす病気です。
アレルギー性鼻炎は、ダニやホコリなどが原因で1年を通して鼻炎症状が認められる「通年性アレルギー性鼻炎」と、スギやヒノキの花粉などが原因で、花粉の飛散時期だけに鼻炎症状が認められる「季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)」があります。
●通年性アレルギー性鼻炎の主な原因
(1年中症状がある)
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ハウスダスト(ホコリ)
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ダニの糞や死骸
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真菌(カビ)
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昆虫
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ペットの毛 など
●季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の主な原因
(花粉飛散時期のみ症状がある)
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スギ花粉
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ヒノキ花粉
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イネ科花粉(カモガヤ、オオアワガエリ など)
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ブタクサ花粉
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ハンノキ花粉
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シラカバ花粉
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ヨモギ花粉 など
主な症状
●くしゃみ
●鼻水(さらさらした水のような鼻水)
●鼻づまり
●目のかゆみ
治療
最近はアレルギー性鼻炎や花粉症の発症年齢が低下しております。鼻水やくしゃみが続くことにより、集中力が低下し学習に支障をきたしたり、鼻が詰まって睡眠の質が低下し日中の眠気につながることもあるため、早めに治療することが大切です。
対症療法(薬物療法)
症状を抑える治療法です。内服薬、点鼻薬などを使用します。
アレルゲンの除去・回避も忘れずに
アレルギー性鼻炎の症状を抑えるためには、薬の服用だけでなく日頃の生活環境からアレルゲンをできるだけ取り除いたり、アレルゲンに触れないように対策することが大切です。
・こまめに部屋の掃除をする
・ソファやベッドにも掃除機をかける
・花粉症シーズンにはマスクをする
・外から帰ってきたら上着についた花粉を玄関で払う
など、アレルゲンに触れない、室内に持ち込まないように注意しましょう。

食物アレルギー
食物アレルギーとは
特定の食物を「食べる」「触る」「吸い込む」ことで免疫が過剰に反応し、アレルギー症状を起こす疾患です。
食物アレルギーの原因となる食べ物は、乳幼児では鶏卵・牛乳・小麦が多く、学童期以降になると甲殻類や果物類、魚類などが新たな原因となっています。
個人によって原因の食物は異なりますのでしっかりと正確な診断をすることが重要です。
※特定原材料 8品目
食物アレルギー患者の健康危害を防止するため、容器包装された加工食品について表示が義務付けられている原材料のことです。具体的には、えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生、くるみの8品目が該当します。
特定原材料(8品目)

主な症状
食物アレルギーの症状は、皮膚、呼吸器、消化器など、さまざまな臓器に現れます。
症状の程度は個人差があり、軽症から重症までさまざまです。
●皮膚症状:じんましん、かゆみ、赤み、むくみ、湿疹
●粘膜症状:鼻汁(鼻水)、鼻閉(鼻づまり)、くしゃみ、口周りの違和感
●呼吸器症状:咳、喘鳴(呼吸時にぜいぜいと雑音を発すること)、声枯れ、呼吸困難
●消化器症状:嘔吐・はき気、下痢、腹痛
●神経症状:頭痛、活気の低下、意識障害
●循環器症状:血圧低下、不整脈、頻脈(心拍数が増加している状態)
アナフィラキシーへの対応
アナフィラキシーに ついて
アナフィラキシーは、アレルギーの原因物質に接触したり摂取した後に、極めて短い時間のうちに全身にあらわれるアレルギー症状です。血圧の低下や意識障害などを引き起こし、場合によっては生命を脅かす危険な状態になることもあり、これをアナフィラキシーショックといいます。
エピペンの処方について
当クリニックでは、食物アレルギーの原因となる食物を誤って食べた際にアナフィラキシーショックを起こす危険性のある患者さんには、エピペン(アドレナリン自己注射液)を処方しています。エピペンは、アナフィラキシーがあらわれたときに、医師の治療を受けるまでの間、症状の進行を一時的に緩和し、ショックを防ぐために自己注射する補助治療剤です。エピペンを使用するタイミングや使用方法は診察時にご説明いたします。
食事指導
原因となる食品(アレルゲン)を調べ、アレルゲン毎の食事指導(調理方法や正確な除去方法など)を行います。正確な知識を持って不必要な食事制限をなくし、お 子さんの成長に必要な栄養摂取をしっかりできるようにしましょう。その他、学校給食への対応や、遠足や旅行行事での食生活の注意点についてもご説明いたします。

舌下免疫療法
舌下免疫療法とは
「スギ花粉症」と「ダニによるアレルギー性鼻炎」の治療として舌下免疫療法があります。舌下免疫療法は、アレルギーの原因である「アレルゲン」を少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげる治療法です。アレルギー症状を治す可能性のある治療法と考えられています。

舌下免疫療法をおすすめしたい方
●「スギ花粉症」や「ダニによるアレルギー性鼻炎」の根本的な治療を希望する方
●薬を飲んでも、症状が改善しない方、または不十分な方
●薬の量を減らしたい方
●手術による治療(鼻レーザー手術、鼻中隔矯正術など)を避けたい方
対象
●6歳以上のスギ花粉症のお子さん、親御さん
●6歳以上のダニアレルギーのお子さん、親御さん
投与方法
初めての服用は、医療機関で医師の監督のもと行い、2日目からは自宅で服用します。
治療薬を舌の下に置き、お薬ごとに定められた時間を保持したあと、飲み込みます。
治療期間
治療には長期間(3~5年)かかります。
治療効果
すべての方に効果があるとは限りません。厚生労働省の発表では約8割の方に効果が現れています。
完全に症状が抑えられない場合でも、症状をやわらげ、お薬の使用量を減らすことが期待できます。

